長崎縣へ引退直前の車両を乗るべく弾丸日帰り旅行したあの日

2021年6月24日旅日記

前日談

 あれはもう4年近くも前のこと、、、主に大村線を走る気動車が新型車両に置き換わるとの情報が入った6月。

 当時から九州と国鉄時代に製造された車両と気動車が好きだったことが影響し、何としても乗っておきたい車輌だったキハ66・67。[車両の説明はここでは省略する]

 引退するからには、その前に乗っておかないと損だと思い、当時の手元にあるお金と旅行できるほどの余裕日数に限りがあるという事で、当時関東某所に住んでいた降人当人は日帰りで何とかいけないかと画策する。

画像1:旅行計画

 その結果、上図のような旅行日程が完成[発驛は公開いたしかねますため成田空港に到着した列車のみ記入]。当時はピンコロ渦中という事もあり航空券が格安で取れたことや 博多⇔佐世保 は2枚きっぷという往復割引切符が販売されていたため、わずか2万円ちょっとで往復して帰れるやんけ!!こんな計画立てられる僕、変態!と思ったことは4年近く経った今でも忘れられない(藁)

※2021年度ダイヤ改正時の時刻のため現在とは状況が異なります※

旅行当日 早岐へ

 早朝4時代、興奮氣味に目を覚まして朝ごはんを食べてから家の最寄驛へ向かった。飛行機に乗りこむまでは終始、興奮しっぱなしで視野が狭くなっていたかもわからない(藁)

画像2:ジェットスター GK505便 成田[NRT]→福岡[FUK] 

 そんなこんなでジェットスターGK505便は定刻通り8:45に成田空港を出発。この日はB滑走路から離陸したため、茨城縣上空を旋回している最中に利根川や霞ケ浦がよく見えた。

 10:20を過ぎた頃、相島が見えたので、あぁなるほど一度日本海上空を飛んで北側から福岡空港に進入する経路で飛んでいるんだなと把握。いよいよ、海の中道を跨ぎ福岡市街上空を滑空、10:32に滑走路に着陸。ほぼ定刻(10:40着)通りに福岡空港に辿り着いた。

画像3: 10:32福岡空港に着陸

 福岡空港からは間髪入れずに福岡市営地下鉄空港線に乗り換える。福岡空港から博多まではわずか6分の乗車。尚、この時乗った車両はJR九州の筑肥線向け直流電車である303系。筑肥線は福岡市営地下鉄に直通するため、直流電化となっており、交流電化路線ばかりのJR九州では異端な路線ともいえる。

画像4:福岡空港→博多 乗車電車

 さて、博多では驛弁と切符の調達を実施。切符は下の動画を参照。驛弁は残念ながら写真に収めておらずかつ、何買ったか忘れてしまった(藁)

動画1:2枚きっぷ購入場面

 博多から佐世保までの往復券(但し、途中下車不可)と特急指定席を含めてわずか4700円(※2021年当時)という破格での乗車ができる。まるで、今回の旅をすることを運命づけられていたかのような切符だと感激したのは言うまでもない。

 ホーム上に上がり、列車を待つ。ただ、列車を待つとはいってもここは九州、華やかで個性的な列車が次々と発着していくのを見ているだけでも全く飽きない。

 11:20頃、乗車予定の特急みどり9号佐世保行き運用が入線。この時どういうわけか、先頭車両の顔を撮らないという、あくまでも撮り鐵ではないんだなという事が判るデータの残り方で苦笑してしまった。

写真5:4009M 特急みどり9号 佐世保行き 側面幕

 特急みどりは特急ハウステンボスと博多から早岐まで併結運転(連結して1本の列車として運行されること対して言う)を行い、早岐で切り離しを行い特急ハウステンボスは大村線のハウステンボスへ、特急みどりは佐世保線の終点佐世保まで行きます。

 この当時は、長崎本線と佐世保線の分岐驛が”江北”を名乗る前だったので”肥前山口”であったことや西九州新幹線開業前だったため特急かもめが走っていた頃でした。

動画2:肥前山口到着アナウンス

 佐世保線に入ると西九州新幹線開業準備のため大町~高橋間が複線化工事の最中だった上、西九州新幹線の武雄温泉駅構内が工事中だったのを視られました。在来線史上時代の終わりが迫っているなと肌身をもって感じられました。

写真6:武雄温泉新幹線ホームが概ね完成状態だった

 13:11定刻通り早岐に到着。2枚きっぷの使用上のルール上早岐~佐世保間が無効になってしまうが、早岐で下車。早岐では車庫に停まっている車両をみることとキハ66・67引退記念の切符を購入するべく下車しました。

写真7~18:早岐驛構内に掲示されていたキハ66・67引退に関連するポスター

 驛構内にはキハ66・67が引退する間際のお別れムードでポスターが多く張られていました。それらのポスターを横目に長崎方面に発車するキハ66・67の区間快速シーサイドライナー運用が停まっていたのを視られて

っしゃぁ!来たぜ大村ぁ線!!

と内心発狂しておりました。(藁)

お目当ての車両に眼福!

写真19:キハ66・67シーサイドライナーカラー

 この日は平日という事もあり撮影者は少なめでしたが、それでも撮影のためにホーム上に2名おられました。

写真20~28:キハ66・67シーサイドライナーカラー側面

 わずか数分間の喜びを得るために片道8時間かけてやってきただけに感動は一際である・・・

追加で早岐→佐世保間の乗車券230円[2021年当時]を購入。列車の待ち時間があったため、給水塔を観察。当初佐世保線と大村線は長崎本線として開業した歴史があるのですが、その当時からの歴史的遺構です。

写真29・30:早岐驛旧給水塔

 13:40頃、ホームに戻るとすでに 4232D 区間快速シーサイドライナー 佐世保行きが到着していました。なんとトップナンバーの急行色復刻塗装!(クリーム地に窓枠付近が朱色に塗られた塗装のことを言う)

 やはり、和多志は旅行に出かけると奇跡的な巡りあわせを引き寄せる力があるようだとニヤつき顔を隠せずに乗り込む。

写真31:キハ66・67急行色

 車内はボックスシートではなく転換クロスシートで且つ冷房機器が天井部中央についており、全國に投入されたキハ40とは違うんだなと一目でわかる。

写真32:キハ66・67車内

 お待ちかねのキハ66・67に乗車できたという事で、旅行する以前に購入していたTOMIX98417のキハ66・67形冷却機能強化型セットを持参してきたので、車内で模型を置く。

写真33:実車イン模型(藁)

 あくまでも持参した模型は筑豊地区を走っていた時代のものなので厳密には年代が異なり仕様も異なるのだが、、、それでもこれができたのは嬉しい。流石に、走り出すと列車の揺れで模型が落ちかねないので出発前に片づけました。

写真34~39:車内

 これほど絵になる車両が引退するなんてと寂しい氣持ちになりました。国鉄型の車両は若くても30年経っているわけで、鐵道車両の寿命が40年と言われている以上、年式からして引退するのは至極当然なことです。それでも50年走ったことは九州の地で非常に大切にされてきた車両だったんだなと思いました。そして最後のお見送りも盛大にされていることは、ただの鐵道車両という枠を超えて人々の思いが詰まった車両なんだなとほっこりとした氣持ちになりました。

動画3:早岐→佐世保

 乗車した感想として、乗り心地に決定的な差があるなと感じました。それはクッション性の高さ。どうやら、このキハ66・67は空気ばねを採用しており、それが起因しているようです。機械ばねに比べてクッション性が高いため、JR九州の地方線区の保線状態は鹿児島本線と比べると悪いのですがそれを吸収するだけのクッション性の高さがあり、キハ40系列だともっとダイレクトにボインボイン飛び跳ねるような箇所でもある程度吸収していました。

 早岐から佐世保までわずか3区間12分の乗車。これをするためだけに関東からやって来たことを無駄にしたくないという思いで、1秒1秒・・・唸るエンジン音、軋む台車と車体の音、走行に伴う揺れに身を預けて・・・

 佐世保到着の自動放送が流れたとき、もうこの贅沢な時間が終わってしまうのか・・・と名残惜しく車窓を開けてアイドリングするエンジンの音を聴いていました。

写真40~51:佐世保驛構内に設置されたパネルなど

 佐世保驛構内には引退記念パネルや写真展、キハ66・67の歴史年表が掲示されていました。主要驛ではどうやらこういった熱い思いの籠った企画展示があるようで、ただの車両という枠を超えているなと感じられました。

 佐世保と言えば、佐世保バーガーが有名ですが、30分程度の滞在ではそんなに氣軽に店に行く時間もないなと諦め、来た道を折り返して帰ることに。

本題本当に日帰りできるのか?

 一番のお目当てを達成しましたが、帰るまでがこの旅の本題。福岡空港から成田空港に戻る復路便の予約済みという事で何としても保安検査場を25分前に通過せねばいかんのです。

 列車が遅れでもしたら終わり、こんな計画立てたの誰ですかね?

おっとワシだったわ(藁)

というわけでとんぼ返りします。

写真52:4020M 特急みどり20号 博多行き

 計画通り、14:37発特急みどり20号に乗車し博多へ。

 早岐に到着すると対向ホームにキハ66・67のシーサイドライナーカラーが停車していました。指定した座席が完璧な位置だったこと、持ってきていた模型はハウステンボスカラーも持ってきていたこと、特急みどりは特急ハウステンボスが連結するために早岐にしばらく停車する事、そして対向のキハ66・67が長時間停車する事が相まって、またもや実車と模型をセットで撮影(藁)

写真53~55:実車と模型

 しっかり満喫の上、1時間半列車に揺られる間、福岡空港のピーチチャックイン機の場所と保安検査場の場所をネットで調べて、わずか数分で通過するイメージトレーニングをしていました。定刻通り16:33に博多到着。髪入れずに福岡市営地下鉄に乗り換え福岡空港へ。

 福岡空港驛には16:50に到着。保安検査場通過門限のわずか15分前に福岡空港に到着して、急ぎ足にチェックインと保安検査場へ向かいました。

ギリギリで保安検査場を通過。まさに紙一重な計画が上手く行った時の快感は凄まじいものがある(藁)

 無事に peach のMM526便 成田空港行きに乗り込み、17:30定刻通りに福岡空港を後に・・・

写真56:翼が赤く染まる

夕暮れ時、翼が赤く光り一日が終わる中、この日に成し遂げたことを感慨深く耽っていました。

19:30定刻通り成田空港に到着。あとは家に帰るだけだと安堵の上、列車に乗り込んだ。

写真57:まさかの量産先行車

帰りに乗り込んだ列車はまさかのE217系の量産先行車だった。量産型のE217系はボックスシートを支える支柱がないのですが、量産先行車は画像のように支柱がある。

最後の最後まで話が尽きない旅だったなと思い帰路に就いた。

まとめ

 1日あれば、関東と九州を往復する旅は可能という事が判りました。日本でなければあり得ない正確なダイヤでの運行があってこそ、これだけのことができるのだと実感する旅でした。

 これは、先人の方々が交通網を整備してくださったこと、そしてその交通網を動かす人々がいらっしゃること、その他数多の関係各所の人が支えあうことで成り立った旅だったなと実感しました。

 これだけのことができる公共交通網を後世に残していかなければいけないと思いつつ、今後の日本が明るい未来になるように今後も活動を続けていきたいと思い、ここに終わります。

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